積立NISAで相場が下がったらどうする?初心者が知っておきたい「売らない」という選択肢
「積立NISAを始めたけど、相場が下がってきた。このまま続けていいの?」
「含み損が出ているけど、いったん売った方がいい?」
こういう不安、ありますよね。
僕も最初はそうでした。
少し含み損が出るだけで、
「これ、大丈夫なのかな……」
と焦るんですよね。
投資を始めたばかりなら、なおさらだと思います。
今回は、相場が下がったときにどう考えればいいのかについて、金融庁などの公的な情報を参考にしながら、僕自身の経験も交えて書いていきます。
先に結論を言ってしまうと、長期・積立投資を前提にしているなら、相場が下がったという理由だけで慌てて売る必要はありません。
ただし、「何があっても絶対に売るな」という話でもありません。
大切なのは、自分が決めた投資方針と、今の生活状況を一度確認することです。
この記事でわかること
- 過去に株価が大きく下落したとき、どんな動きをしたのか
- 長期・積立・分散投資と元本割れの関係
- 相場が下がったときに焦って売ることの問題点
- SNSの「今すぐ売れ!」に惑わされないための考え方
- 変動金利の住宅ローンを抱えながら、僕が投資を続けている理由
- 相場が下がったときに「やること」「やらないこと」
過去の相場は大きく下がってきた。でも、それだけで投資をやめる必要はない
まず、相場は普通に下がります。
これは投資を始める前に、絶対に知っておいたほうがいいことだと思っています。
たとえば2020年のコロナショック。
S&P500は2020年2月19日の高値から、3月23日までに約33.8%下落しました。
わずか1か月ほどの間に、これだけ下がったわけです。
ところが、その後は急速に回復し、S&P500は同年8月には過去最高値を回復しました。
S&P500のような株価指数でさえ、短期間で30%以上下落することがあります。
だから、
「投資を始めたら下がった。自分の選択が間違っていたのかな?」
と考える必要はありません。
もちろん、将来も必ず同じように回復するとは限りません。
過去に回復したからといって、次の暴落でも同じ期間で戻る保証はありません。
ただ、少なくとも「株価はずっと右肩上がりで動くものではない」ということは覚えておきたいです。
金融庁のデータから見る「長期・積立・分散」の効果
ここで、金融庁の資料を見てみましょう。
金融庁は、長期・積立・分散投資を資産形成の基本的な考え方の一つとして紹介しています。
その中でも興味深いのが、過去のデータを使ったシミュレーションです。
1985年以降の各年について、国内外の株式・債券に毎月同じ金額を積み立て、その後の運用成果を調べています。
その結果、
- 保有期間5年では、元本割れとなるケースがある
- 保有期間20年では、過去のデータ上、元本割れとなるケースが見られなかった
という結果になっています。
ここは重要なので、もう一度書いておきます。
これは、
「どんな投資でも20年間持てば絶対に損しない」
という意味ではありません。
あくまで、国内外の株式・債券に分散し、毎月積立した場合の過去の実績です。
将来の利益を保証するものでもありません。
それでも、短期間の値動きだけを見るのではなく、長い期間で考えることの大切さはわかると思います。
金融庁も、長期・積立・分散投資によって価格変動の影響を抑えながら、安定的な資産形成を目指す考え方を紹介しています。
下落相場では「安く買える」という側面もある
積立投資の面白いところが、ここです。
毎月一定額を積み立てている場合、株価が高いときには少ない口数しか買えません。
逆に株価が下がったときには、同じ金額でも多くの口数を買えます。
これが、いわゆるドルコスト平均法の考え方です。
金融庁も、積立投資について「安いときに買わなかったり、高いときにだけ買ってしまうことを避けられる」と説明しています。
もちろん、
「下がったら必ず得」
という意味ではありません。
投資先そのものの価値が長期的に下がり続ければ、積立していても損失になる可能性があります。
ただ、長期で成長が期待できる資産を積み立てるのであれば、下落局面でも機械的に買い続けられることは積立投資のメリットの一つです。
だから僕は、相場が下がったときほど、
「損してる……」
だけではなく、
「今は安い価格で買えている時期でもある」
と考えるようにしています。
SNSの「早く売れ!」に惑わされた話
ここからは僕の話です。
投資を始めてしばらく経ったころ、相場が少し大きく動いた時期がありました。
そのときSNSを見ていたら、
「S&P500急落!今すぐ売れ!」
みたいな投稿がどんどん流れてきたんです。
正直、一瞬、
「え、売った方がいいの?」
と思いました。
でも、少し時間を置いて見てみると、同じようなアカウントが翌日には、
「ここが買い場!」
と言っていたりする。
「昨日は売れって言ってなかった?」
ってなりますよね(笑)。
もちろんSNSに有益な情報もあります。
ただ、短期的な相場予想をSNSだけで判断するのは危険だと思っています。
実際、米国のSEC(証券取引委員会)も、SNSで話題になっている投資商品を短期的な値動きだけで売買することには大きなリスクがあると注意喚起しています。
僕が今意識しているのは、
「相場が下がったときほど、SNSではなく自分の投資方針を見る」
ということです。
そもそも、
「10年、20年かけて資産形成する」
という目的で投資を始めたのなら、今日・明日の値動きだけで方針を変える必要はありません。
もちろん、投資先そのものに問題があるなら話は別です。
でも、
「株価が下がった」=「投資をやめる」
ではないと思っています。
変動金利の住宅ローンを抱えながら、僕が投資を続ける理由
もう一つ、僕自身の状況についても書いておきます。
僕は中古マンションを変動金利で購入しています。
契約時の金利は**0.75%**でしたが、その後1%に上がりました。
固定金利と最後まで迷いましたが、
「金利が上がったとしても、家計が破綻しないか」
を考えたうえで変動金利を選びました。
もちろん、今でも金利がさらに上がらないかは気になります。
だからこそ、投資についても無理をしないようにしています。
現在の僕の考え方は、
「生活防衛資金などを確保したうえで、長期的な資産形成として積立を続ける」
というものです。
以前は、
「投資の平均リターンがローン金利を上回るなら、投資を続けたほうが得」
と単純に考えていました。
でも、これは少し危ない考え方でもあります。
投資のリターンは保証されていません。
一方、住宅ローンの金利は実際に支払う必要があります。
だから、
「投資の期待リターン > ローン金利だから絶対に投資優先」
と考えるのではなく、
- 生活防衛資金は確保できているか
- 金利上昇に耐えられる家計か
- 投資資産が大きく下落しても生活に支障がないか
- 今後、大きな支出の予定はないか
こういうところを確認するようにしています。
僕の場合は、これらを考えたうえで、
「今のところは積立を続ける」
という判断をしています。
ここはあくまで僕の家庭の場合の話です。
住宅ローンがあるから投資すべき、ということでもありません。
相場が下がったときに「やること」
では、実際に相場が下がったらどうするのか。
僕なら、まずこの3つを確認します。
① 投資を始めたときの目的を思い出す
「老後資金のため」
「10年以上先に使うお金のため」
など、最初に決めた目的を確認します。
長期投資のつもりだったのなら、短期的な下落だけで慌てて方針を変更する必要はありません。
② 生活防衛資金を確認する
これはかなり重要です。
投資とは別に、急な出費に対応できる現金を確保しておきます。
投資資産が下がっているときに、
「生活費が足りないから売らないと……」
となると、相場が回復するまで待てなくなってしまいます。
金融庁も、投資には元本割れのリスクがあることを明記しています。
だからこそ、近いうちに使う予定のお金まで投資に回さないことが大切です。
③ それでも不安なら、投資額を見直す
「積立を絶対に止めてはいけない」
ということでもありません。
もし相場が10%、20%下がっただけで夜も眠れないなら、そもそも自分のリスク許容度に対して投資額が大きすぎる可能性があります。
投資は、
「どれだけ儲かるか」だけではなく、「どれだけ下がっても続けられるか」
も大切です。
金融庁も、投資には元本割れの可能性があり、自分の状況に合わせて長期・積立・分散を考えることを示しています。
相場が下がったときに「やってはいけないこと」
逆に、僕が避けたいと思っているのがこの3つです。
① 怖くなって全部売る
一番やりがちなのがこれ。
「これ以上下がったら怖い」
という理由だけで全部売ってしまうことです。
売ったあとに相場が回復すれば、今度は、
「やっぱり買い直したほうがいいのかな?」
と悩むことになります。
相場の底と天井を正確に当てるのは簡単ではありません。
米国SECの投資家向け情報でも、市場が大きく動くときに慌てて売買するのではなく、長期的な投資計画に沿って判断することが勧められています。
② SNSの情報だけで売買する
「暴落する!」
「今すぐ売れ!」
「ここから10倍!」
こういう投稿を見るたびに売買していたら、精神的にもかなり疲れます。
SNSはあくまで情報収集の一つ。
最終的には、
「自分は何に投資していて、何のために投資しているのか」
を基準に判断したいところです。
③ 生活費まで投資に回す
これは絶対に避けたいです。
投資は余裕資金で行うもの。
生活費や近いうちに使う予定のお金まで投資してしまうと、相場が下がったときに強制的に売らざるを得なくなる可能性があります。
投資を長く続けるためにも、
「投資しない現金を持っておく」
ことは非常に大切だと思っています。
僕が個別株から積立投資に変えて、楽になったこと
僕自身、以前は個別株をやっていました。
入社2年目のころ、コロナ禍で約20%の損失を出して撤退しています。
金額的な損失ももちろん痛かった。
でも、それ以上にしんどかったのが精神面でした。
仕事中にトイレへ行って株価を確認する。
下がっている。
そのままモヤモヤしながら仕事に戻る。
そんなことを繰り返していました。
今思えば、僕には個別株の値動きを受け止めるだけの経験もメンタルもなかったんだと思います。
積立投資に変えてからは、その感覚がかなり変わりました。
毎月決まった金額を自動で積み立てる。
相場が上がっても買う。
下がっても買う。
これだけです。
もちろん、大きな下落があれば不安にはなります。
でも、
「今日の株価を予想しなきゃ」
というプレッシャーがなくなっただけでも、僕にとってはかなり大きかったです。
まとめ|相場が下がったときほど「投資を続けられる状態」を確認しよう
今回の記事をまとめると、こんな感じです。
- 株価は短期間で30%以上下落することもある
- 過去には大きな下落のあとに回復した例もあるが、将来の回復を保証するものではない
- 金融庁の過去データでは、国内外の株式・債券に分散して積立した場合、20年保有では元本割れのケースが見られなかった
- ただし、これは過去の実績であり、将来も同じ結果になるとは限らない
- 長期・積立・分散を前提にするなら、短期的な下落だけで慌てて売らないことが大切
- SNSの「売れ!」という情報だけで判断しない
- 生活防衛資金を確保し、無理のない金額で投資を続ける
- 下落が怖すぎるなら、投資額やリスクの取り方そのものを見直す
僕自身、個別株で-20%の損失を経験したからこそ、
「投資で一番大切なのは、相場を当てることではなく、続けられる状態を作ること」
だと思っています。
相場が下がると、不安になるのは当然です。
「このまま持っていて大丈夫かな?」
と考えること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、そこで一度立ち止まって、
「自分の投資目的は何だったのか」
「生活防衛資金は足りているか」
「この投資額で本当に眠れるか」
を確認してみる。
そのうえで問題がなければ、焦って売るのではなく、淡々と続ける。
僕は今、そんな考え方をしています。
一緒にコツコツやっていきましょう!
参考・出典
この記事では、主に以下の公的機関・一次情報を参考にしています。
- 金融庁「資産形成の基本」
- 金融庁「長期投資の効果について学ぼう」
- 金融庁「安定的な資産形成に向けた顧客対応について」
- S&P Dow Jones Indices「SPIVA U.S. Year-End 2020 Scorecard」
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。記事内で紹介している過去の市場データや金融庁の資料は、過去の実績を示したものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断は、ご自身の資産状況・投資目的・リスク許容度などを踏まえてご判断ください。

